ひきこもり施策の考察。

やってられんわ

高知県のひきこもり当事者支援に関する資料を見ると、以下のようなことが解る。

高知県ひきこもりの人等に対する支援のあり方に関する検討委員会の資料

議事資料2「ひきこもりの人等の個々の状態に応じた支援の流れ」[PDF:239KB]

ひきこもりの原因」を列挙しているが、それらの中に重要視するべき事項、【社会不信要因】「社会や組織への不信感と失望、社会参加への恐怖、生きることへの意欲欠如、自殺願望」という部分がまったく考慮されていない。

これは【社会要因】に含まれると説明するだろうが、ハラスメントなど「現在そうした社会的要因の中にある」事例には通用する対処方法を、そうした要因とはすでに縁を切って何十年と経過している事例に対しては適用できない。別要因として扱うべきだ。


議事資料3「ひきこもりの人の社会参加に向けた支援の流れ」[PDF:371KB]

これらケースの中に、「社会へ不信と不安、恐怖があり社会への参加を否定する場合」「自己嫌悪を抱え、生きることへの意欲を喪失して自殺願望が有る場合」などが扱われていない。

そうしたことは「ケース④「精神疾患等により受診が必要な場合」に該当すると言うだろうが、「社会への不信、意欲喪失」というのは「薬飲んで元気になれば治る」「医者がカウンセリングすれば治る」というものではない。

「ケース③外出できない場合」であるとするかもしれないが、それでまとめて良い問題なのか疑問を感じる。

そもそもこれらケースは、社会参加のケースで分けているだけで、根本的な原因によりケースを分けているのではない。つまり、現状に沿ったケース分類ではない。

明確に「社会への不信感を取り除く対話」が必要であったり「社会参加の意義を感じさせて社会参加への意欲をもたせる訪問活動」「生きる意欲をもたせる体験支援」を経る必要がある。

そこの部分が当事者支援の現場で行われている肝であって、それが図表にないのはそうした現場の活動に理解無く軽視している証拠なのだと考える。


この「ひきこもり分類」も、「社会失望群」とも言うべき分類が有ることを理解していない。

数十年に渡ってひきこもるという理由をなんだかんだ精神疾患のせいにして、当事者が抱えている「社会への失望と自己嫌悪」という苦悩を理解していない。

ひきこもりになる前は「元気で笑顔で成績も良く意欲があった」なんの問題もなかった青年だったのに、ひきこもれば精神病患者なのか?

極端な話、三島由紀夫を精神疾患で精神病患者だったと片付けるのと同じだ。


考察まとめ

ひきこもり当事者支援を行っている現場では当然のように理解されて行われていることが、県の施策ではまったく理解されていないことがわかった。

社会への不満分子は精神疾患があり精神病患者だとして扱い、障がい者福祉の中で言論封殺してしまうという社会構造であることもわかった。

現在の施策では、ひきこもり当事者が抱える問題は、パーソナリティの問題や精神疾患として扱い、精神病患者としてカウンセリングと薬を投与して療養をさせて、居場所や就労施設へと進ませて親と別居させ、就労体験を経て就労支援施設の中で監視されながらやりたくもない労働する、という流れだ。

納得のいかないまま薬や話術で誤魔化されるまま、就労してうまくいくはずがない。

社会への不信を解消して生きる意欲を持たさないで、就労なんか出来るか。

考察を踏まえた要望

当事者支援団体が現場で行っている「社会への不信感を取り除く対話」「社会参加の意義を感じさせて社会参加への意欲をもたせる訪問活動」「生きる意欲をもたせる体験支援」など当事者と親と寄り添った活動を、こうした支援の流れの中に明確化してほしい。施策の中に明示して組み込んでほしい。

ひきこもり当事者とその親に寄り添い支援して、社会への意欲を持たせる重要な活動だ。

その活動は、現在の居場所でもないし、自立相談支援でもないし、就労支援でもない。
就労支援拠点施設もしてないし、精神病院もしていない。
ピアサポートセンターはそこまでの活動はしていないし、自立相談支援機関の訪問支援がやっているのか疑問だ。アウトリーチ支援員がそういうことをしているのか?

施設や就労場所を与えるだけでは救えない。
支援員や担当が施設や就労場所や給付金などを案内して、制度を利用させるだけでは救えない。

社会からの孤立と自殺を望むひきこもり当事者に「社会への意欲を持たせる活動」こそ、ひきこもり支援の中でもっとも重要なことではないだろうか。