理屈。

「私は自分の将来を考え老後のことを考えて、子どもをつくり育ててきました。英才教育を励み、幼児の頃から私立の有名校へとお受験させて、小学校、中学校と勉強をさせて来ました。とても可愛くて素直で優秀で自慢でした。エリートの道を歩ませてゆくゆくは政治家や官僚、いえ国家公務員、地方公務員でもいい、安定して高い給料の仕事に就いて不自由ない暮らし。お嫁さんをもらい結婚。孫を育てて。子どもや孫の笑顔に囲まれて過ごしたかった。そうした人生を目指して教育してきました。子どものために高い授業料も払ってきました。未来へ投資をしてきました。愛情を注いで育ててきました」

「でも、うちの子はひきこもってしまい、閉じこもってしまい人生を捨てました。多くの投資を何十年もしてきたのに私は子どもに裏切られました。失望しました。夢も希望もありません。あの子に費やした時間もお金も無駄だったんです。育ててあげた恩を返さない不義理な子なんです。親の気も知らない薄情な子なんです。産まなければよかった!」

「もう顔もみたくありません。苦痛です。これからの私の老後まで奪われたくありません。助けてください。なんとかしてください。とにかくあの子を働かせたい。せめて家から出ていってほしいです。どうにかしてください!」

とりあえず。落ち着いて。

何かを育てて成果により対価を得る。対価を得るために出資をして育てる。

「支払った投資に対する対価を得るのは正しいし間違っていないでしょ!」というけれど。

理屈が通ることは少なくて、基本的にこの世は理不尽で不条理なんです。

直視して克服する努力にこそ人生の意味があるとか言った人もいるくらいです。

もう、ギャンブルや株式投資で丸損したとでも思って、残念ですが投資の回収は諦めてください。

そして互いの人生を分かちましょう。

そんなこんなで別れることで、ようやく笑顔を目指せることもある。

これはそんな結末の創り話。