00)当モデル事業の目的
01)ひきこもり問題について。
「ひきこもり」とは、様々な事情により様々な形で、社会との拒絶を選択した者たちのことです。
ひきこもり当事者の多くは家族を頼りに同居をして、衣食住を依存して生活をしています。
ひきこもり問題は、当事者の社会への拒絶という問題と共に、依存を受けている家族への経済的負担や生活サイクルの違いなどから精神的負担、将来への不安などが、主な問題点となっています。
高知 県内では推計6000人が居ると言われています。
02)「 8050 問題」とは
ひきこもり問題は、学生や青年だけの問題ではなく、幅広い年齢層で問題となっています。
「 8050 問題」とは、ひきこもり当事者が50歳近くであり再就職などが困難であること、支える家族が定年などにより就労をしていなく年金や福祉で生活をしていることなど、複数の生活困窮原因を抱えています。
人生後半を向かえて、当事者も家族も人生の回復に困難を感じ悲観して、自己嫌悪を経て自殺願望を抱えて、いつ死ぬかを数える生活をしています。
03)高知県の対策状況
高知県の中高年のひきこもり人数だけでも3300人以上と推定されています。
高知県ひきこもりの人等に対する支援のあり方に関する検討委員会の資料を見て考察すると、 外出が可能な準ひきこもり約40%については用意された支援施設で対応できますが、狭義のひきこもり約60%、外出しない重度のひきこもり約14%への対応は、遅れているか、十分に検討されていないように感じます。原因を多様性であるとして相談員や精神病院の対応へ丸投げしている印象があります。アンケートなどを実施しているようです。
04)【国内 】 生活状況に関する調査 概要
【国内 】 生活状況に関する調査 概要
https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf/kekka_gaiyo.pdf
05)高知県ひきこもり支援施策(相談窓口)
06)高知県ひきこもり支援施策(居場所展開)
07)高知県ひきこもり支援施策(精神の病・障害福祉・困窮支援・就労支援)
・高知市生活支援相談センター
暮らしに関する様々な悩みごと
困りごとを受け付け
●生活困窮者就労訓練施設
●障害福祉サービス
・就労継続支援施設
・就労移行支援施設
・就労サポートセンターかみまちなど
08)高知県ひきこもり支援施策資料の ひきこもり分類には不足がある
09)「ひきこもり」とは何か。定義から支援の有り様を考える。
「ひきこもり」となる理由は千差万別ですが、「 社会への失望や拒絶 」が「 ひきこもり 」をさせます。
社会に希望を持っていたら、ひきこもりません。
ひきこもり当事者が抱える、社会への怒り、恐怖、失望、自己嫌悪、無力感、そうした社会参加を拒否して孤独を選択する気持ちの回復こそ、今必要とされている支援だと考えます。
原因は家庭、学級、学校、会社、地域、社会全般や個性、発達障害、ハラスメントやいじめ、家庭内暴力、多大な損失の原因となって自己嫌悪など、怒り恐怖嫌悪悲哀自殺願望など様々なものを個々全員が違う理由や感情を抱えていますが、「 ひきこもり 」なんです。
10)困窮家庭に対する施策は既に尽くしているが、不足している
「 8050 問題」など、就労に適した年齢を過ぎてしまった高齢と生活困窮の中にある家庭へ対応するための方針が、打ち出せていないように感じます。
対応が明確にできない原因は、生活保護などに代表される困窮に対する支援策は、単純に無条件な経済的支援をするわけにもいかない難しい側面 があるからです。
生活の困窮は社会に負担や迷惑をかけたくないという無意識が働いて、助けが必要で有るにも関わらず、助けを拒むことになっています。無力感は自己嫌悪となって、自殺願望にも繋がっています。
そうして対応が遅れている困窮問題を抱える「8050問題」ですが、当事者と家族が高齢であることもあり、一刻も早く対策していかないと手遅れになりす。
1年対応が遅れたら、何人の犠牲者が出ると考えますか?
11)平成 12 年の年齢別生存率
12)対応が急務である理由まとめ
- 高知県の人口が、約70万人。
- 69歳以上が、34 7%の約24万人。
- 10年後には、推定2 6万人以上が死亡します。
- 試算すると、今後10年間で推定200人以上の狭義のひきこもりが親と死別することになります。
- それは毎月1~2人前後の当事者が親を失い、途方に暮れていることになります。
13)まとめ
高齢化したひきこもり当事者とその家庭は、当事者も高齢で就職困難であり、家庭を支える側も退職して限られた資産や福祉を頼りに生活をしています。既に社会福祉や援助、融資の手を尽くして終わっており、もう、どうすることも出来ないまま困窮を極め、全てを諦めて誰にも相談出来ずに、絶望と自己嫌悪と挫折感の中で、社会を拒絶して生きています。